Kindle Paperwhite 2 (PW2) 脱獄奮闘記 ~KindleBreakからWinterBreak2まで~
はじめに:古いKindleを蘇らせたい
手元にあった Kindle Paperwhite 第6世代(2013年モデル / PW2) 、型番 DP75SDI。シリアルナンバー B05A は日本向けWi-Fiモデル。ファームウェアは 5.12.2.2 。この端末を脱獄(Jailbreak)して、KOReaderなどのカスタムアプリを動かす。
まずは定番の KindleBreak から試してみる。
第1章:KindleBreakの試練
準備と期待
MobileReadのKindleBreakチュートリアルを参考に、jb-kindlebreak.zip をダウンロード。解凍した kindlebreak.html などをKindleのルート直下に配置しました。USBマスストレージモードでPCに接続し、ファイルをコピーする作業はスムーズ。
そして、フリーズしない…
機内モードをONにし、実験用ブラウザで file:///mnt/us/kindlebreak.html にアクセス。…が、うんともすんとも言わない。画面はフリーズせず、あっさりと読み込みが終わってしまいます。
考えられる原因をいくつか。
- 拡張子の確認:Windowsの「ファイル名拡張子」表示をONにし、
kindlebreak.html.txtになっていないかチェック → 問題なし。 - ブラウザの設定クリア:JavaScriptが有効になっているか確認し、キャッシュと履歴を消去 → 変化なし。
- 電源ボタン40秒長押しでの強制再起動 → 効果なし。
どうやら 5.12.2.2 は、KindleBreakのWebkitエクスプロイトが発動しにくいバージョンのよう。
次なる策:LanguageBreak
気を取り直して、ブラウザを使わない LanguageBreak に挑戦。これは言語切替・辞書検索の脆弱性を突く手法で、GitHubの notmarek/LanguageBreak からファイルを入手。
手順は以下の通り。
- 検索バーに
;enter_demoと入力してデモモードに入る。 - デモ設定画面で
;demoと入力し、「Sideload Content」を選択。 - LanguageBreakのファイルをKindleルートにコピー。
- 「Resell Device」を実行し、「Press the Power Button」と表示された瞬間にUSBケーブルを再接続。
- 再度ファイルをコピーして再起動。
- 言語選択画面で 「简体中文」 を選択して脱獄を発動。
まさかの事態
デモモードに入り、ファイルをコピーし、「Resell Device」を実行。電源ボタンを押して再起動。しかし、そもそも・再起動後の言語選択画面に 「简体中文」が存在しない 。
日本版PW2の古いファームウェアでは、中国語が表示されないことがあるよう。そして、Resell Device を実行したことで、端末のデータがすべて消去 されてしまいました(泣)。KindleライブラリのデータはAmazonアカウントと同期すれば戻りますが、脱獄は振り出しに。
第2章:WinterBreak2という救世主
気を取り直して、情報を探していると、WinterBreak2 という新しい脱獄手法の存在を知ります。公式サイト kindlemodding.org/jailbreaking/WinterBreak2 によると、これはブラウザベースの脱獄で、wb2.zip をKindleのルートに展開し、実験用ブラウザで https://penguins184.xyz/wb2 にアクセスして「Jailbreak」ボタンを押すだけというシンプルなものです。
WinterBreak2の手順
- 事前準備:PC、USBケーブル、Kindle、解凍ソフト(7-Zipなど)を用意。KindleをWi-Fiに接続します(公式サイトでは、脱獄中の自動アップデートを防ぐために、事前にストレージを満杯にすることを推奨しています)。
- ファイルの展開:
wb2.zipをダウンロードし、解凍した内容をKindleのルート(Kindle (D:)の直下)にコピーします。winterbreak2フォルダがルートに表示されることを確認します。 - ブラウザでアクセス:Kindleを安全に取り外し、Wi-Fiに接続。実験用ブラウザを開き、
https://penguins184.xyz/wb2にアクセスします。 - 脱獄の実行:ページ上の「Jailbreak」ボタンを押すと、ダイアログが開き、脱獄プロセスが始まります。完了するまで待ちます。
成功!
画面にjailbreak書籍が。WinterBreak2、無事に成功!! あっさりと脱獄www
どうやらPW2の 5.12.2.2 はWinterBreak2の対応範囲内だったよう。
第3章:KPM(Kindle Package Manager)で環境構築
KPMは、Kindle上で動作するコマンドラインベースのパッケージマネージャで、apt-get や yum のように、検索バーからコマンドを入力するだけでアプリのインストール・更新・アンインストールができた。
KPMの使い方
KPMはWinterBreak2に同梱。
- アップデート:
;kpm updateを検索バーに入力して実行。 - アプリのインストール:例えばKOReaderをインストールする場合、
;kpm install koreaderと入力。
おすすめのパッケージ
KPMで導入できるおすすめのアプリ・拡張機能をいくつか。
- KOReader:PDFやePub、漫画(CBZ/CBR)の表示に最適化された多機能リーダー。Kindle標準のリーダーよりも快適に読書ができます。
- kTerm:Kindle上で動作するターミナルエミュレータ。ただし、最終更新が古く、環境によっては動作が不安定な場合があります。
- USBnet (UsbNetLite):PCとKindleをUSBまたはWi-Fi経由でSSH接続するためのツール。開発やファイル転送に便利です。
- KUAL Helper:スクリーンショットの撮影、スリープの無効化、システムの再起動などをKUALメニューから実行できる基本ツールです。
第4章:kTermの代替案 ~PCからのSSH接続~
kTerm は長年更新が停止しており、特に古いファームウェアのPW2では動作が不安定なことも!?。そこで、USBnet を使ってPCからSSH接続する方法がおすすめ。
おわりに:古いKindleがよみがえる
こうして、試行錯誤の末に Kindle Paperwhite 2 (PW2) の脱獄に成功し、KPMを通じて様々なカスタムアプリを導入できる環境が整いました。
振り返ってみると、最初に試したKindleBreakはこのファームウェアバージョンでは相性が悪く、LanguageBreakでは言語選択の壁に阻まれ、最終的にWinterBreak2が。同じように古いKindleの脱獄に挑戦する方の参考になれば幸いです。
教訓:
- ファームウェアバージョンによって、有効な脱獄手法は異なる。
- 公式ドキュメント(kindlemodding.org)をよく読み、対応する手法を選ぶことが重要。
- 脱獄後は必ずHotfixを適用し、自動アップデートをブロックする(WinterBreak2は自動でブロックしてくれますが、念のため確認を)。
kTermが動かない場合は、USBnet + SSHという選択肢がある。
古い端末でも、ソフトウェアの力でまだまだ現役として活躍させることができます。ぜひ、あなたも挑戦してみてください。